毎年5万人以上の人が来場する航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)の「新田原(にゅうたばる)エアフェスタ」。
ここ数年は曇りや小雨で天気に恵まれなかったためか、晴天となった2019年12月15日(日)に開催された航空祭では、県内外から約5万7千人の人が訪れました。
「今年は晴れてるし、ちょっと行ってみようかな」そんな気軽な気持ちで知識ゼロのまま参加した宮崎人の目線で、『Nyuta Air FES 2019 ~ふれあい~』の様子や、はじめて訪れる方への注意点をご紹介します。
※スマートフォンではキレイに撮影できなかったため、飛行写真等はご提供いただきました。
飛行展示の合間もしっかり楽しめる展示物
航空祭の魅力のひとつが、普段訪れることのない基地の中に入り機体にも近づけること!
第一格納庫ではステージイベントや、F15コックピット展示などがありました。めったに見られないコックピットの展示にはずらりと行列。
隊員の方に質問を直接できる時間もあり、”北海道まで2時間で行けます”ということを教えていただきました。早っ!
屋外展示の場所では、キッズ向けに花自動車が走っていました。目の前にさえぎるものがない環境で、飛び立つ機体を最前で見ることができるので、きっと小さな心にも刻み込まれるはず。
展示してある機体の前にはわかりやすく説明が掲示してあるので、「なるほど、T-○○のTはトレーニング機の意味なのね。」という感じで知識を得ることができました。
スペマ(スペシャルマーキング=特別塗装)の機体もあり、個性豊かなデザインも楽しみのひとつ。
なかでも人気があったのが、ケロヨンファントム、ファントムおじいちゃん、カエルスペマなどさまざまな名前で呼ばれていた、スカーフを巻いた可愛いカエルが描かれた機体。
301飛行隊の部隊マークで、カエルには”必ず帰ってくる”という意味が込められているそう。
1985年〜2016年の31年間ものあいだ新田原基地にいて、2016年から百里基地へ。
そのため今回の航空祭では、多くの人から”お帰りなさい”というあたたかい気持ちで迎えられていたのです。
来年には退役を迎えるということもあり、おそらく最後の航空祭。歴史を知っていくと、また一段と航空祭が楽しめるはず。
展示物の中にこういった情報もあるので、飛行展示がはじまるまでの時間に予備知識をチェックしておくのもおすすめです。
ひとときも目が離せない迫力の飛行展示
飛行展示がはじまると、あまりの迫力に目が離せなくなります。
アクロバティックな動き、追いきれないぐらいのスピード、鋭角に上昇する機体・・・!驚きの連続です。
2019年に開催された新田原基地航空祭では、以下のスケジュールで飛行展示が行われました。
8:30 〜8:33 |
UH-60J/U125A/F-15 オープニングフライト |
---|---|
8:55 〜9:15 |
UH-60J/U125A 訓練飛行 |
9:20 〜9:35 |
F-15J/DJ 訓練飛行および機動飛行 |
9:40 〜9:55 |
F2 機動飛行 |
10:10 〜10:25 |
F-4EJ改 防空展示(機動飛行) |
10:40 〜10:55 |
F-15J/DJ 防空展示(機動飛行) |
11:10 〜11:25 |
RF-4 飛行展示(訓練飛行) |
11:40 〜12:00 |
F-16 曲芸飛行 |
13:30〜 | T-4 ブルーインパルス ウォークダウン開始 |
14:00 〜14:40 |
T-4 ブルーインパルス曲芸飛行 |
〜15:00 | T-4 ブルーインパルス ウォークバック終了 |
今年の一番の見所は、ブルーインパルスのデモンストレーション。
プルーインパルスは”日本の航空自衛隊をもっと知ってもらいたい”という思いで発足された、華麗なアクロバット飛行を披露する専門のチームです。
熟練のパイロットがギリギリの距離感で隊列を組み、美しく空を舞います。
緊張感のあるパフォーマンスもあり、大きな感動を生みました。
飛行展示がすべて終了した後には、各地から集まっていた機体が所属基地へと帰還するために次々と離陸。最後に羽をふりながら帰還していったり、ひとわざサービスしてくれることも。
F-16は猛スピードで視界に現れ、ほぼ垂直に上昇し、あっという間に雲の上へ。す・・・凄い・・・。。
観客が飛び立っていくパイロットに向け、”ありがとう”と声をかけながら手を振る光景もまた美しく感じました。
名残惜しいですが、航空祭が終わった後には片付けや清掃作業があります。
終了時間がきたら速やかに会場を後にしましょう。シャトルバス待ちの間でも、帰還していく機体を見ることができます。
新田原基地航空祭に参加する際の注意点
航空祭に行き慣れていないと、わからないこともあります。
基本的なことを知らないままでいると、会場に行くのに苦労したり、周りに迷惑をかけることも。
事前に航空祭の注意点を知っておきましょう。
新田原基地航空祭には時間に余裕を持って訪れるのがベスト
基地内に一般車両の駐車場はありません。
新田原エアフェスタに行くためには、臨時駐車場からシャトルバスに乗り換える、もしくは臨時バスに乗ります。
会場近くや宮崎市の駐車場は満車になりやすいので、出足が遅くなる場合には公式サイトでのチェックがおすすめ。
臨時駐車場の混み具合が逐次更新されます。
2019年の臨時駐車場では、三納代・サテライト宮崎場外車券売場・富田浜公園がほぼ満車状態でした。
臨時バスやシャトルバスが各地から集結するため、道路も混雑。そのため、時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
私は8時半のオープニングフライトに合わせ、7時20分ぐらいに会場到着。”早すぎたかな?”と思いきや、すでにこの混雑・・・!
入門時には手荷物検査があります。この混み具合で手荷物検査待ちが20分ぐらい。
危険物(ナイフ・カッターetc)・三脚/脚立など持ち込めないものがあるので、スムーズに検査を終えるためにも事前に公式サイト等で確認を。
後から到着した人はさらに待つこと間違いなしの状況だったので、検査時間も想定しての時間調整をおすすめします。
10時半を過ぎると会場もかなりの混雑具合でした。
こういった大型イベントでは、帰る時間も同じ時間帯に集中します。輸送力の限界もあるので、シャトルバスに乗るまでに1〜2時間待つことも。
大型イベントならではの混雑をあらかじめ想定しておき、防寒対策などの備えをしっかりしておくことも大切です。
見逃せないグルメ&航空祭ならではのグッズ!お買い物は午前中のうちに
5万人以上が訪れるイベントなので、売店エリアではグルメやグッズの店舗が充実。
人気の商品やグルメはお昼の時間帯にすでに完売になっているものも多かったです。狙っているものがあれば午前中の早いうちに!
新富町は蕎麦の産地でもあります。美味しくいただいた10割蕎麦、こちらもお昼には完売となっていました。
ペットボトル系のドリンクは早々に完売になっていて、自販機も行列となっていたので、飲み物は持参しておくとよいかもしれません。
お昼までの時間はずっと機動飛行・訓練飛行があり目が離せないので、”どのタイミングで足を運ぶのか”が悩みどころですが、上空を飛行しているため基本的にはどこにいても楽しめます。
周囲の人に迷惑をかけないよう”マナー”を守る
今回SNSでも話題にのぼっていたのが、航空祭でのマナー。
・最前列の人は座って、小さな子も見れるように配慮する
・指定された場所以外で椅子&シートを広げない(通行を妨げない)
など。知識がないままだと”周りの人もしているから”と知らずにやってしまいがちだと思います。
私自身も、SNSの情報で認識しました。
これだけ多くの人が訪れるイベントなので、また来年の開催へとつなげるために、”お互いを思いやる気持ち”が大事ですね。
「日本の空を守る」航空自衛隊を知るきっかけに
正直、知識がなくても楽しめるかな?とやや不安に思いながら足を運びました。
けれど、わかりやすい手書きの説明・宮崎弁でのアナウンス・隊員さんからの直接の説明など、あたたかみのある”おもてなし”で楽しく過ごせ、同時に知識を得ることができました。
すべてを楽しむためには、もっと早く足を運んでもよかったかもと思ったぐらいです。
航空自衛隊は「日本の空を守る」唯一の組織。理解を深めるために、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?